邪馬台国はヤマト国?「壹」はトウと読むのでは?

「邪馬台国」は「やまたいこく」と呼ぶのが当たり前、本当にそうでしょうか。「やまたい」という地名がどこにも残ってないことに不自然さはないでしょうか。今回は「邪馬台国」=「やまたいこく」説に対する異説を紹介。

邪馬壹國の「壹」はトウと読むべき理由

邪馬台国2

弥生時代の男性
へっぽこ隊長
邪馬台国と書いて「やまたいこく」と読むようになったのは、新井白石の論が始まりらしい。
それまでは「やまとこく」と読んでいた。
弥生時代の女性
さくや
ウィキペディアは「邪馬台国(やまたいこく / やまとのくに / やまいこく)」と3つの読み方を併記しているわ。
へっぽこ隊長
現在でも決着がついた訳ではないんだね。

「魏志倭人伝」には「邪馬壹國」と書かれているが、この「壹」の字は「壱(一)」だから「やまい」が正しいという説、いやいや「壹」は「臺(台)」の書き間違えだから「やまたい」であるという説がある。

白石以前は「邪馬台」と書いて「やまと」と読んでいたが、白石が中国人に聞いたところ「台」は「と」とは読めないと言われ、新しい論を立てた。

「壹」という字の中には「豆」がある。そこに注目してみよう。

以下はYouTubeで小名木善行さんが言っていたのを聞き、なるほどと思ったので、僕なりに調べてみたこと。

「豆」は「とう」「ず」と読む。

ATOKで「豆」の入った「壹」以外の漢字を調べてみると、「燈、闘、頭、痘、逗、鄧、嶝、橙、豊」の字はみんな「とう」と読む。

その他には「澄(ちょう)、證(しょう)、厨(ちゅう)、鼓(こ)」がある。

燈 闘 頭 痘 逗 鄧 嶝 橙 豊 證 厨 鼓

となると、「壹」だけ「い」と読むのは変であり、もともと「とう」と読んでいたのを中国側の長年の何かの都合で「い」と読むようになったと考える方が、確率的には正しいのではないだろうか。

昔の中国語の発音を中国人に聞いても分からない。

白石が中国人に「台」は「と」とは読めないと聞いた話だが、中国語は表意文字だから昔の発音が残ってない可能性は高い。昔の中国語の発音は表意文字と表音文字を駆使している古代の日本の文献によらないと分からないのが実情だ。

大和言葉は現在まで脈々とつながっている。今の感覚で不自然に思える論は、間違っている可能性が高いと思う。

ちなみに日本語の「いち、に、さん、し」は中国語の「いー、あーる、さん、すー」が元だが、なぜ、「あーる」が「に」になったのかも不思議だ。と思っていたら、これもYouTubeで小名木善行さんが

中国の客家語の数の数え方は「1=it,2=nyi,3=sam,4=si,5=ng」となると言っていた。

小名木さんの論は、半ば首をかしげたくなることもあるが、半ばなるほどという発見もあり面白い。自分の記憶を全て最新情報にリフレッシュするのは難しいから、ヒントを与えてくれる人として評価すべきだと思う。

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