日本語の「北(きた)、南(みなみ)」の語源に定説はありませんが、男女の関係に注目した面白い考えがあります。今日はその話題について。
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「北、南」の語源は「きなた、みなた」?
あくまでそういった言葉が存在してたら説明がつくのでは? という仮定の話だ。
その前に、現在「北、南」にどんな説があるのかおさらいしておこう。
「北(きた)」
⋯いっぱいあるけど、どれも⋯ピンと来ない。
「南(みなみ)」
●「皆見(みなみ)」説。
⋯陽があたってみんなよく見える説。
●「海な見(みなみ)」説。
⋯南に海が見える地方でできた言葉説。
「北」は手がかりなさそうね。
東と西は太陽の動きから、
日の出(日向かし)→日の入り(去にし)で
対をなす言葉になっている。
北と南も対をなす言葉であった方が
僕にはピンとくるのだが⋯。
まず、「なた」というのは方角を表す言葉だね、
「こなた、そなた、あなた、かなた」の「なた」だ。
「き、み」は男女を指す言葉。
古事記に出て来る古い神様の名に多い。
イザナギは男、イザナミは女。
おきなは男、おみなは女。
やがて
男の「き」は転じて「こ」になり、
「ひこ、おとこ、むすこ」などの言葉となる。
女の「み」は転じて「め」になる。
「ひめ、おとめ、むすめ」などの言葉となる。
つまりこういう仮説ね。
その昔、
北を男の方角「きなた」、
南を女の方角「みなた」と読んでいた。
いつの間にか
「きなた」が「きた」になまった。
「みなた」は「みなみ」になまった。
「みなた」が「みなみ」って苦しくない?
まだ参考程度の説だけど、
「北」と「南」は、方角を男女に例えて生まれた言葉、という発想が面白い。
男(おとこ)と女(おんな)は対ではない?
さっきの話だけど
「おきな」と「おみな」という対になる言葉があって。
なぜか「き→こ、み→め」の変換後、
「おとこ」と「おとめ」の対になる言葉ができる。
今は「おとこ」と「おんな」が対になる言葉よね?
「おと」というのは「劣る(おとる)」という意味の言葉。
この場合は幼いという意味で
「弟(おとひと)」
「乙姫(おとひめ)」
という言葉もここからきている。
「おとこ」と「おとめ」は
「おきな」と「おみな」に比べて
幼い人に使った言葉。
それがいつの間にか
「おとこ」と「おみな」が対になって、
「おとこ」と「おんな」になった。
「おとこ」は年上の「おんな」に弱かったのかも(^_^;)。
「おとひめ」の対に「おとひこ」という言葉もあったのかな?
よく分からないね。
ちなみに「おとひめ」の姉は「えひめ」。今、県名になってるね。
たぶん「弟(おとひと)」は男女にかかわらず、まだ幼い人全般を指した言葉。
「妹(いもひと)」の「いも」は愛しい人といった意味で、姉妹にかかわらず妻や恋人にも使われる言葉。
たぶん「想う(おもう)」と関係ある言葉だね。
だからもともと弟と妹は対になる言葉ではなかった。
弟や妹が兄や姉を「吾の兄(あのえ)」と言っていたのが「あね」になまり、男女で使い分けるために「あに」という言葉が生まれていったんじゃないかな?
「兄(え)」という言葉は、中大兄皇子の「兄(え)」や「兄姫(えひめ)」の「兄(え)」のように男女にかかわらず年上のきょうだいを指した言葉。
今日はこれまでっ!
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