「国(くに)」の語源は「組む」+「土(に)」?

「国」の語源は「組(くみ)+土(に)」?(日本語の語源)

「国(くに)」の語源は「組む」+「土(に)」?

人が群がって村になる? 村々が組んで国になる? 今回は土地に関する語源の話。

「邦、県」という村境の恐い漢字

万里の長城
万里の長城
弥生時代の男性
へっぽこ隊長
今日は「村(むら)」と「国(くに)」の語源について。
弥生時代の女性
さくや
「くに」って漢字で「国」と「邦」って書くけどなんで?
弥生時代の男性
へっぽこ隊長

「国」という漢字は城壁で囲んで守っているという感じだね。

「国」と書くと王様を守っているみたいだけど、旧字は「國」。戈(ほこ)で何かを守っているんだろうね。

弥生時代の女性
さくや

そういえば昔中国に「木」という王様がいて、それを城壁で囲うと「困」になるのを嫌がって、城壁は作らなかったという話があるわね。

「邦」は?

弥生時代の男性
へっぽこ隊長

「邦」についてはいろんな説があるみたいだけど、小説家の宮城谷昌光さんは小説「太公望」の中で、村境の木に獣の死体を貼り付けたイメージを想定している。

つまり「俺たちがいるぞ、これ以上近寄るな」というメッセージだね。「県」という漢字は「首」をひっくり返した漢字で、「首を逆さに貼り付けた状態」を意味する。

「俺たちがいるぞ、近寄ると殺すぞ」というもっと強いメッセージだね。「縣」という字になると「首を糸で逆さにつった状態」となる。

「道」という漢字も魔除けのために生首を持って歩く意味だとか。

悲しい女性
さくや
なんか中国、恐い⋯。
何の話してたんだっけ。

村のあるじは「むらじ」と「すぐり」

伏見稲荷
伏見稲荷
弥生時代の男性
へっぽこ隊長

「村(むら)」は「むれ」「むらがる」からきた言葉。村の主は「むらあるじ」と呼ばれ、「連(むらじ)」という言葉になった。

弥生時代の女性
さくや
昔の階級を指す、臣、連の「むらじ」ね。大伴氏や物部氏が連「むらじ」。
弥生時代の男性
へっぽこ隊長

渡来系の帰化人集団では村の主は「すぐり」と呼ばれた。

これは古代朝鮮語で族長という意味だという説が多けど、朝廷側から与えた姓(かばね)だから、僕は単純に技術を持った「選りすぐり」の人という意味の「すぐり」だと思う。

弥生時代の女性
さくや
これはフィギュアスケートの村主章枝さんの「すぐり」ね。
弥生時代の男性
へっぽこ隊長
東漢氏(やまとのあやうじ)系の氏族は「村主(すぐり)」で、秦氏(はたうじ)系の氏族は「勝(すぐり)」と書き分けたらしい。

紫(むらさき)と紫陽花(あじさい)

紫陽花

弥生時代の男性
へっぽこ隊長
ちなみに「紫(むらさき)」という言葉は紫陽花からきた言葉。小さな花が群がって咲いてるからだね
弥生時代の女性
さくや
紫陽花の語源は?
弥生時代の男性
へっぽこ隊長
これも小さな青い花「狭藍(さあい)」が集まっているから「あつ+さあい」となった説が有力かな。「あつ+咲き」説もある。
弥生時代の女性
さくや
紫陽花って、そんなに古くから日本にある花なの?
弥生時代の男性
へっぽこ隊長
日本が原産国だといわれている。それが中国に伝わり、世界に広まった。
ちなみに「紫陽花」という漢字は、唐の詩人、白居易(はっきょい)が詩の中で名もない花に名付けたものを、漢字の意味が似ているからと、今も当て字に使っているもの。白居易が見た花が何なのかは分からない。

「国」の語源は「組(く)+土(に)」?

丹生都比売神社
丹生都比売神社
弥生時代の女性
さくや
次はいよいよ「国(くに)」の番ね。
弥生時代の男性
へっぽこ隊長

これも定説はない。

「くに」の「に」は土を表す「に」からきていると思われるけど、「く」が分からない。

くぎるという意味の「く」、下という意味の「く」、「組む」の「く」とかいろんな説がある。

さくや
「に」は土の意味なの?
へっぽこ隊長

「埴輪(はにわ)」「埴生(はにふ/はにゅう/はぶ)」「丹生(にふ/にゅう/にぶ)」などの言葉のように、きめが細かい土器の生成に使えるような黄赤色の土を「はに」とか「に」と言った。

奈良の枕詞を「あおによし」というが、「あおに」は緑色の土のことで、建築物などに使う塗料。奈良が産地だった。

弥生時代の女性
さくや
司馬遼太郎の「空海」には、空海を支援した一族として丹生(にゅう)一族が出てくるわ。
弥生時代の男性
へっぽこ隊長

丹生一族は神社の鳥居などの赤い塗料となる「丹」や仏像などの金メッキに使われる水銀などの採掘に携わった技術集団だと言われているね。

空海が高野山金剛峯寺を開いた際には丹生都比売神社から神領を譲ってもらったらしい。

四国には空海が杖をついたら水が湧いて出たという伝説が各地に残っているけど、丹生一族が空海のお墨付きをもらって、各地を試掘して回って、いい丹や水銀の産出場所を探し回っていた名残ではないかという説がある。

しみじみ女性
さくや
話がどんどん脱線するわ。
で、「国」の「く」は何なの?
弥生時代の男性
へっぽこ隊長
古事記や日本書紀の中では「くに」という言葉は、「天つ神(あまつかみ)」に対する「国つ神(くにつかみ)」といった、天に対する言葉として使われるから、大地をあらわす「木土(こに)」が語源だとするものもある。
弥生時代の女性
さくや
「木土(こに)」なんて言葉も日本語として不自然な気がする。
へっぽこ隊長
僕は「くに」は「むら」が協力体制をとった、土地の集合体だと考えれば「組(くみ)」の「く」が関係している気がする。

例えば
「くみに→くんに→くに」という変化だ。

今日はこれまでっ!

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