文字を意味する「文」や「漢」という字を「あや」と読むのは、書いた模様だからだし、繊維や布を意味する「絢」や「綾」という字を「あや」と読むのも同じ。糸が作った模様だから。
怪しい、危うい、操る、あやかる、誤る。綾があやなす言葉の語源。
「あや」は怪しく危ういものだった?
もともと「あや」とは模様のようなものを指す言葉。
昔文字が無かったといわれる時代でも、木や石や土器や衣服や肌に「あや」をつけて(模様を描いて)何かの目印にしたり、呪術的意味合いを込める、という事が行われていた。
操(あやつ)る、あやかる、誤(あやま)るの語源
やがて糸のことも「あや」と言うようになり、「あやとり」や「操る」(糸で吊る)といった言葉になった。
「あやかる」の語源は「あや」+借るで模様を借りること。それが雰囲気や権威を借りるこという意味に使われるようになった。
「誤(あやま)る」や「謝(あやま)る」も筋を違えたという意味合いから来た言葉。
ドーマンセーマン
これはそんなに古くなく、平安時代からと言われている。
ドーマンは蘆屋道満に由来するとわれる九字紋(横5本縦4本の線からなる格子形/上図の右)。
セーマンは安倍晴明の名に由来するともいわれる安倍晴明判紋(星形/上図の左)。
九字といってもいろいろあるみたいだけど、有名なのは「臨兵闘者皆陣列前行」の九字。
中国の道教を通じて日本に伝えられ、修験道、陰陽道等で主に邪気払いの呪文として行われた。
下のYouTube動画を見てもらうのが早い。
見たことあるやつ。
「臨兵闘者皆陣列前行」の読みは「りん・ぴょう・とう・しゃ・かい・じん・れつ・ぜん・ぎょう」
意味は「闘う相手を見つけた兵が、皆、陣列の前へ行く」のような意味。
上の動画では最後の「行」が「在」になっている。このようなバージョンもある。意味は「前へ行く」の部分が「前に在り」となるだけで、全体の意味は同じ。
なんか使えると格好いいね。
今回はこれまでっ!
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