鳥の名前の語源と伝承

【面白い】カモメ、スズメ、ツバメ。鳥の名前の語源と伝承(日本語の語源)

鳥の名前の語源と伝承

鳥の名前ってカモメ、スズメ、ツバメのように「メ」がつく名前、カケス、ウグイス、カラス、ホトトギスのように「ス」がつく名前があります。そこに法則性はあるのでしょうか?「野鳥にまつわるお話」さんのブログなどに鳥の名前がいっぱいあったので、それらと辞典を参考に整理してみました。

まず押さえておきたい鳥の名前の法則

鳥の名前の語源と伝承

鳥の名前には以下の法則があるので、まず何を意味するのか、押さえておきます。
それぞれの鳥名の詳細については後ほど解説します。

「メ」で終わる鳥=「群れをなす鳥」を表す言葉

「メ」で終わる鳥は、常に群れでいるのが特長です。例えば「スズメ」は「チュンチュン」という鳥の群れという意味。

カモメ、スズメ、ツバメ(ツバクラメ)

「ス」で終わる鳥=「鳴き声由来の鳥」を表す言葉

「ス」で終わる鳥は、鳴き声由来の鳥名がほとんどなので、「鳴き声」+「する」のニュアンスでついた名だと思われます。

カケス、ウグイス、カラス、キギス(キジの古名)、ホトトギス、モズ(?)

「カラ」で終わる鳥=「スズメ大の鳥」を表す言葉(カラ類と呼ばれる)

「カラ」で終わる鳥は、小さな体の鳥を表す言葉。「カラ」は「体」または「軽」の意味だと思われます。

シジュウカラ、ヤマガラ

鳴き声からきた鳥の名前の語源

まず、鳴き声から自然についたであろう名前から。これも諸説あるので参考まで。

アホウドリ(阿呆鳥)=「アッホー、アッホー」の鳴き声から説。その動作がにぶく、すぐ捕まるから説。
ウグイス(鶯)=「ウークヒ」という鳴き声から。「ス」は鳥をあらわす語
ウソ(鷽)=鳴き声が口笛に似ているから

弥生時代の男性
へっぽこ隊長
口笛のことをむかしはウソといった。
「うそぶく」とは口笛を吹くこと。
弥生時代の女性
さくや
「嘘」の語源は?
何で口笛がウソなの?
弥生時代の男性
へっぽこ隊長

「嘘」の語源にはいろんな説があるが、古くは「をそ(カワウソ)」で、「カワウソは尾(を)を振って人を化かす」という言い伝えからきたという説がある。

何で口笛がウソなのかは不明。
口笛は人間が言語を獲得する以前からあった交流手段(口笛言語)なので、語源探究は無理。

ウミネコ(海猫)=「ミャーオ」というネコのような鳴き声から
カケス(懸巣)=「ゲー」という鳴き声から。「ス」は鳥を表す語
カササギ(鵲)=「カチ、カチ」と鳴くサギ(実際はカラスの仲間)
カッコウ=「カッコー」と鳴くから

カラス(烏)=黒い色、または「カー」という鳴き声+ス。「ス」は鳥を表す語
カリ・ガン(雁)=鳴き声から(そうは聞こえないけど)
キジ(雉)=古くはキギス、キギシ。「ケンケン」という鳴き声から。「ス」は鳥を表す語
コマドリ(駒鳥)=駒(こま)のいななくような鳴き声から

シジュウカラ(四十雀)=「ジュウ、ジュウ、ジュウ」と鳴くから
スズメ(雀)=チュンチュン+メ。「メ」は群れを表す語

ブッポウソウ(仏法僧)=「仏法僧」と鳴くと思われていたから。実は「仏法僧」と鳴くのはコノハズク
ホトトギス(不如帰)=「ホトト」と鳴く。「ス」は鳥を表す語
モズ(百舌)=百(も)+ス。または「模(も)す」。他の鳥の鳴き真似をよくする。「ス」は鳥を表す語

動作や状態からきた鳥の名前の語源

アジサシ(鯵刺)=空からアジなどの魚を刺すように捕らえるから。
ウズラ(鶉)=うずくまって可愛い
ウ(鵜)=浮くから。「鵜呑み」の語源
オシドリ(鴛鴦)=雌雄相愛(シユウアイオシ)の「愛(をし)」。愛し合ってる意味から。

カモ(鴨)=浮かぶ→うかむ→かむ→かも
カモメ(鴎)=カモの小さいのが群れてるから。「メ」は群れ。
ヤマガラ=山に棲むカラ。「カラ」は身軽な小鳥の総称。
カルガモ(軽鴨)=潜らないカモで、大きい割に軽いから

キツツキ(啄木鳥)=ケラツツキが「ケツツキ」となり「キツツキ」に。「ケラ」の「ケ」は「食う」の古語。

弥生時代の男性
へっぽこ隊長

キツツキに関してはこんな話がある。

その昔、物部守屋と蘇我馬子が戦い、守屋は矢に当たり最期を遂げた。

戦が終わり、馬子は四天王寺を建てたが、どこからかたくさんの鳥が現れ、寺の軒や柱を片っ端からつつき、ついには壊してしまった。

人々は、守屋の恨みが木をつつく鳥となって寺を壊したのだと噂し、この鳥のことを「テラツツキ」と名付けた。

この「テラツツキ」がなまって「ケラツツキ」となり、その後「ケツツキ」と変化。最後はケに木をあて「キツツキ」となった。

弥生時代の女性
さくや
よく分かんないけど、物部氏、結構人気があったのかもね。

クマゲラ(熊啄木鳥)=熊のように真っ黒なケラ。日本最大のキツツキ。
コゲラ(小啄木鳥)=日本最小のキツツキ
コノハズク(木葉木菟)=木の葉のように小さいミミズク。「仏法僧」の正体。
シギ(鴫)=羽音が「繁(しげ)く」するから。

タカ(鷹)=高く飛ぶから
ツグミ(鶫)= めったに鳴かず、口を「つぐむ」から
ツル(鶴)=群れて飛ぶので「連(ツラ)なる」説と、鳴き声説がある。古名の「たず」は不明。

トラツグミ(虎鶫)=虎の模様ツグミ。別名「鵺(ぬえ)」

弥生時代の男性
へっぽこ隊長

トラツグミはその鳴き声から、昔は凶鳥とされた。

「ヒョウヒョウ」という不思議な鳴き声らしく「鵺(ぬえ)」という妖怪の声として怖れられた。「堤中納言物語」には「ぬえの鳴きつるにやあらむ、忌むなるものを」と記されている。

さくや
「鵺(ぬえ)の鳴く夜は恐ろしい」
by 横溝正史「悪霊島」ね!

トキ(朱鷺)=日本書紀ではツキ(桃花鳥)で突くからか。
トビ(鳶)=高く飛ぶ
ハト(鳩)=ハタハタという飛ぶ音から
ハヤブサ(隼)=「はやつばさ」

弥生時代の男性
へっぽこ隊長

今や絶滅してしまったトキだが、田畑を踏み荒らす害鳥として嫌われた。

江戸時代には増えすぎて困ったため、幕府に「何とかしてくだせぇ」と陳情した村もあったらしい。

さくや
時代が変われば解釈も変わるわね〜。

ヒバリ(雲雀)=日晴り。早春のよく晴れた空に高く舞い上がっては急降下する。
ヒヨドリ(鵯)=稗(ヒエ)を食べるから。または「ヒーヨ、ヒーヨ」の鳴き声から。
フクロウ(梟)=母(は)+喰(く)らう説(見境なく喰らうから)や「ふくらう(膨るる)」説がある
ユリカモメ=入り江カモメから。「都鳥」とも。

外見や色からきた鳥の名前の語源

オオタカ(大鷹)=背中が青灰色だから「アオタカ」→「オオタカ」
カワセミ(翡翠) =川に住む「セミ」
ヤマセミ(山翡翠)=山に住む「セミ」。昔は「鹿子翡翠(かのこしょうびん)」とも呼ばれた。

弥生時代の男性
へっぽこ隊長

「セミ」の古名は「ソニ」で「ソビ(ショウビン)」→「セミ」と変化した。「ソニ」の語源は不明。背が美しいから「背美」は俗説。

セキレイ(鶺鴒)=中国語の「鶺鴒(ジーリン)」を日本語読みしたもの。「背中がピンと伸びて、きれい」の意味を込めた。
ゴイサギ(五位鷺)=美しいサギで、醍醐天皇から五位の位を授かったことから。

弥生時代の男性
へっぽこ隊長

平家物語や源平盛衰記にゴイサギ(五位鷺)に関する話が載っている。

醍醐天皇が「あの鷺を捕らえよ」と蔵人(くらうど)に命じ、鷺を捕らえに行ったが、簡単に逃げられてしまう。

そこで蔵人は、「なれよ聞け、勅諚(ちょくじょう)ぞ」と言うと鷺はおとなしく捕まった。

その話に感じ入った醍醐天皇は、蔵人と鷺の両者に五位の位を授けた。それでこの鷺は「五位鷺」と呼ばれるようになった。

夜、「グワァ、グワァ」と飛びながら鳴くので、「夜がらす」の別名がある。

サギ(鷺)=真っ白で「さやけき(鮮明)」から
タンチョウ(丹頂) =頭の頂が丹(赤)色だから
ツバメ(燕)=古くはツバクラメ。ツバクラは、翼が黒いから。「メ」は群れを表す語
ホオジロ(頬白)=頬が白いから
メグロ(目黒)=目のまわりが黒いから
メジロ(目白)=目のまわりが白いから

弥生時代の女性
さくや

メジロ(目白)は集団で体をぴったりと寄せ合うから「目白押し」って言うのよね。

空の王者、ワシ(鷲)は?

弥生時代の男性
へっぽこ隊長
それが全く分からない。
本日はこれまでっ!
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