日本に馬はいなかったのに、何でスサノオは機屋に馬を投げ込めたのか? この疑問に答えるには、スサノオとアマテラスの逸話は、馬がいた別の場所で生まれたからなのかも? という考えてみることも必要です。スサノオとポセイドンの話は何でこんなに似ているの? アマテラスとデメテルの話は何でこんなに似ているの?
日本神話とギリシャ神話、東南アジアやニューギニアの神話などとの共通点が面白い!
日本に馬はいないのに、何でスサノオは機屋に馬を投げ込めたのか?






アマテラスとデメテル(ギリシャ神話)

●怒ったアマテラスは洞穴に閉じこもる。
●世界は太陽を失ってパニック。
●アメノウズメがアマテラスの気を引く。
●デメテルは怒って洞穴に閉じこもる。
●穀物の女神が籠もったことで、下界は飢饉に陥る。
●運命の女神モイライがデメテルの機嫌を取る。




セッ○スはしてないけど、いっぱい子ども作ってる。
●アマテラスはスサノオの十拳剣を噛んで吹き出し、ダギリヒメ、イチキシマヒメ、タキツヒメの宗像三女神を生んだ。
●スサノオはアマテラスのみづら・玉飾りを噛んで吹き出し、アメノオシホミミ、アメノホヒ、アマツヒコネ、イクツヒコネ、クマノクスビの五男神を生んだ。
●スサノオの持ち物から生まれた宗像三女神はスサノオの子、アマテラスの持ち物から生まれた五男神はアマテラスの子となった。

二人の間に8人の子がいるのね。本当はきっと愛し合ってたんだわ!
アメノオシホミミの子孫が、ニニギ─ホオリ(山幸彦)─ウガヤフキアエズ─神武天皇と続くのね。
二人の愛がなければ、今の日本は無いわ!

イザナギとオルペウス(ギリシャ神話)=「オルフェウス型神話」
●イザナギは黄泉の国へ行く。
●妻の姿を見てはいけないと言われたのに、見て失敗。
●オルペウスは黄泉の国へ行く。
●妻の姿を見てはいけないと言われたのに、見て失敗。


イザナミとペルセポネ(ギリシャ神話)
→地上に戻ることができない。
→人間界に戻ることができない。

ペルセポネは石榴の3分の1だけ食べたので、3分の2は人間界に戻っていいことになった。
だが穀物の神である彼女が冥府に戻る3分の1の期間は、人間界に飢饉が起こるようになった。

「あんたの国の人を一日千人殺す!」った叫んだのよね。

俺は、一日に千五百の産屋を建てる!」
と言った。

もっとやさしい言葉は無いの!?

次の話も女性には腹立たしい話だ。
コノハナサクヤビメと「バナナ型神話」
ニニギノミコト(瓊瓊杵尊)は美しいコノハナサクヤビメ(木花開耶姫)を娶りたいと父のオホヤマツミ(大山祇)に頼んだ。
オホヤマツミはイハナガヒメ(石長比売)も一緒に差し出した。
ニニギミコトが「ブスはいらない」と送り返した。
オオハヤマツミは「イハナガがいれば長生きできるのに」と残念がった。
これ以後神の御子は寿命が尽きたら死ぬこととなった。
神が人間に対して石とバナナ「どっちがいい?」と聞く。
人間はバナナを選ぶ。
石を選べば長生きできるのにバナナを選んでしまったために、
人間は寿命が尽きたら死ぬこととなった。

これは教訓というより、神様の意地悪よ!
先に教えてよね!
ちなみにみんな気付いてるでしょうけど、
私の名は木花開耶姫からきてるの。

「バナナ型神話」とは東南アジアやニューギニアなどに分布する神話。
次の話はインドネシア。
オオゲツヒメとハイヌウェレ
スサノオ(須佐之男命)が高天原を追われ、オオゲツヒメ(大宜都比売)のもとを訪ねたとき、彼女は鼻や口、尻から食べ物を出してもてなした。
スサノオは怒ってオオゲツヒメを殺した。
オオゲツヒメの死体からは、頭から蚕、目から稲、耳から粟、鼻から小豆、陰部から麦、尻から大豆が出てきた。カミムスビはこれらを五穀の種とした。
ハイヌウェレとう少女は、ウンチをすると宝物が出た。
宝物を村人に配ったら、村人は怒って彼女を生き埋めにして殺した。
ハイヌウェレの父親が彼女の死体を切り刻んであちこちに埋めると、様々な種類の芋が生え、人々の主食となった。

彼女らを殺した人たちに死を!

これまでに日本で出土した人型土偶の
●95%が意図的に壊されている
●女性を象ったものが多い
という理由は、オオゲツヒメにならって、人形をバラバラにして埋めて、五穀豊穣を祈ったからだという説もある。



東北地方では「け」と言うだけで「食え」という意味になるわ。

伊勢神宮外宮の豊受(とようけ)大神もトヨケ、豊かな食事という意味だね。
後にこの二柱の神(オオゲツヒメ、トヨウケヒメ)は、稲荷神(宇迦之御魂神/ウカノミタマ)と習合し、同一視されるようになった。このウカもウケ、ケと同根の言葉と見られている。


ちなみにキツネの古名は「ケツ」。
音が似ていることから「御饌津神(みけつのかみ)」に「三狐神(みけつのかみ)」と当て字し、平安時代になってから狐を稲荷神の使いとする信仰が広まったという説もある。


話を神話に戻すが、その他、「海幸山幸神話」も南洋の島々に類似神話が点在しているらしい。
あと、神武天皇の誕生神話も他の国と似ている。
神武天皇とスキタイ、高句麗の初代の王誕生神話
●スキタイ人の始祖タルギタオスは、天の神パパイオスとドニエプル川の神の娘との間に生まれた。
●高句麗を建国した東明王(朱蒙)は天帝と河の神の娘柳花との間に生まれた。


以前の記事で「僕はどちらかというと『上代特殊仮名遣い』というのは、あくまで一時代のことだから、あまり気にしなくていいのでは?」と書きましたが、「上代特殊仮名遣い」論によって、母音の変遷の過程が解明された意義もあります。今日はその辺について書[…]