「歯、鼻、目、耳、口」から派生した言葉。

「歯、端」から派生した言葉。(日本語の語源)

「歯、鼻、目、耳、口」から派生した言葉。

日本語の基本的な言葉「端(は)」からは、「歯、鼻、花、箸、橋、柱」など、いろんな言葉が派生しています。今回は「端」が語源と思われる言葉を一挙に紹介します!

「歯、鼻、花」の語源は端っこの「端」

「歯と鼻」は端っこの「端」から出た言葉

弥生時代の男性
へっぽこ隊長

「は」という言葉は例えば

「歯、葉、羽(は)、刃、端(は)、果(は)」のように

端っこというニュアンスの言葉。

弥生時代の女性
さくや
葉っぱも端っこという意味か。
弥生時代の男性
へっぽこ隊長
この端っこというニュアンスから、いろんな言葉が生まれている。

「墓」の語源は人生最後の場所、「外れ」の語源は端にズレること

弥生時代の男性
へっぽこ隊長

●「墓(はか)」の語源
=端(は)+処(か)で人生の端っこの場所
「か」は「何処(いずこ)の処(こ)」と同じ言葉。

●「灰」の語源
=端(は)+火(ひ)で火の果て

●「吐く、掃く」の語源
=端っこに出すこと。「く」は動詞化するときにくっつく語

●「剥ぐ」の語源
=端からめくること。「ぐ」と濁らせて「掃く」と区別してる

「激し」の語源
=端(は)+「奇(け)し」。遠くで何か変わったことが起こっていること

「励む」の語源
=「歯噛む」で歯を食いしばって頑張る状態

弥生時代の女性
さくや
「激し」と「励む」って同根の言葉にも思えるけど⋯。
弥生時代の男性
へっぽこ隊長
「激し」は「歯噛みし」という説もある。
でも「激し」は怒りにも使うけど、雨風にも使うよね。雨風は歯を食いしばらない。
さくや
神様が怒って、歯を食いしばってるのよ。
弥生時代の男性
へっぽこ隊長
⋯⋯なるほど、そうかも。
「育む」の語源
=鳥が羽で卵をくくむ(囲む)こと「箱」の語源
=ものが落ちないように葉っぱの端っこを組んだもの「運ぶ」の語源
=「箱」に入れて効率的に持って行くこと「挟む」の語源
=端を「さむ」=狭くすること

「端す」の語源
=端(は)+す。何かの両端を挟む状態にすること。
「箸、橋、柱、はすかい」の語源も同じ。

「外れ」の語源
=端にズレること

弥生時代の女性
さくや
しかし、墓が人生の端っこって⋯哲学だわ⋯。

「働く」の語源は果てるまでやる、「浜」の語源は海の端っこ

弥生時代の男性
へっぽこ隊長

「肌」の語源
=端(はた)の「た」を「だ」に濁らせて区別。ちなみに「裸足」の語源は肌足(はだあし)から。

「働く」の語源
=果てるまでやること

「初(はつ)」の語源
=端からのという意味。「つ」は「〜の」という意味。

「張る」の語源
=端っこをピンっとひっばった状態

「はたち」の語源
=「果てつ」。数を数えるのに十本の指を閉じて十、開いて二十。指を使い果たした状態。

「二十日(はつか)」の語源も同様に「(指が)果つ日(か)」

「離す、放つ」の語源
=端の方に移動させること

「話す」の語源
=思いを離すこと

「祝る(はふる)、祓う(はらう)」の語源
=汚れを端っこに追いやること

「浜」の語源
=端+海(ま)で海の端っこ

さくや
⋯⋯もういいわ。

測ると値(あたい)与う(あたう)の語源

へっぽこ隊長

「測る」の語源
=端っこから端っこまでの長さなどを測ること

測る単位としては歩幅の「歩(ほ)」や両手を広げたサイズの「ひろ」がある。木の太さなどは木に抱きついて、「何ひろ」あるかを数える。ちいさなものは手の親指から小指(または中指)の長さを当てて「何当て(あた)」あるかを数える。

これが「値(あたい)」の語源。

「与う(あたう)」の語源も同じ価値のものを与えるという意味。

伊勢神宮のご神体とされる八咫(やた)の鏡は周囲が「八あた」ある大きな鏡。八咫烏(やたがらす)も「八あた」もある大きなカラスを意味する。

「測る」という言葉から「捗る(はかどる)」という言葉も出てくる。

さくや

八咫のサイズは一説には、約147cm。

福岡県糸島市の「平原遺跡(ひらばるいせき)」出土の鏡は円周146cm。弥生時代後期にはこのサイズの鏡があったのね。

八咫烏はカラスとしてはデカ!

花、鼻、離れる、走るの語源

弥生時代の男性
へっぽこ隊長

「花(はな)」の語源
=同じ端っこだけど区別するために「端(は)」に「な」が着いた言葉

「鼻(はな)」の語源も同じ。岬のことも「はな」という。

「離れる」の語源
=端(は)+成る。「端へ行く」というニュアンス

「走る」の語源
=端(はし)+る。「る」は動詞化する語。

ちなみに、花が「咲く」の語源は端っこが「裂ける」から。

納得できない女性
さくや
咲くって、裂けることなのね。残酷!
本日はこれまでっ!
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